創作漫画『Sense of Ashes』の準備号を作りました

現在制作中の『Sense of Ashes』の準備号を作りました。名古屋コミティア67で販売します。
元々は関西コミティア74に向けての制作予定でしたが、準備号に載せる分の原稿は既にできており、だったら別のイベントに出ても良いじゃないか、ということで丁度名古屋コミティア67があったので応募しました。運良くスペースをいただけて良かったです。

この冊子はとにかく赤字覚悟のつもりで安く安く販売する予定です。販売価格については『Mafia Sitter』で痛い目を見たので、今回は「購入してもらう母数を増やそう」というモットーで販売価格を設定しました。(P28 / 400円)

準備号と言っても自分にとって大切な冊子になるように、表紙を描きおろししました。イベントで販売する光景を想像して、パッと目に入って「気になる」と思わせるように背景メインのイラストにしました。キャラクターメインのイラストにするとどうしても絵柄の好みで試読を考える…ということがあり、私の絵柄は少数派向きだと自覚しているので、名古屋コミティアではその少数派に中々出会えない…という統計から、背景メインにしました。これが吉と出るか凶と出るか気になるところです。

準備号にどこまでページを入れるかは迷いました。『Sense of Ashes』を作るにおいて起承転結の「起」部分のシナリオ作りを失敗しておりまして。「起」の部分には「この物語は一体どうなるんだ?!」と気にならせるような事件を入れるのが鉄則なんですが、この作品は「起」を読んだだけで「どこに物語が落ちていくか分からない」というところがあり…。反省点です。「起」部分は主人公の「問題点(「結」と真逆になるような)」や「世界観の説明」そして先ほどの「事件」など、詰め込まなければいけない要素が多く、しかもページを「起」に割きすぎると読者が離脱してしまう可能性もあるので、とても難しいです。「やることが決まっている」ので「何を描いたらいいのか…」という現象には陥らないのですが、編集者に漫画を見ていただいた時に指摘を受けるのも「起」が多いです。「結」は作者自身が思うほどあまり気にしなくてもOKなことが多いです。最後まで読んでもらえてますからね。とにかく「起」の出来不出来で漫画をすべて読んでもらえるかにかかっています。

そういう意味で『Sense of Ashes』の「起」は失敗してます。ですがこの失敗を何とかするために修正…ではなく、次に活かしたいのでそのままにしました。

準備号のページ数は28ページ。のち本文は25ページとなります。この25ページは、重要なキャラクターが一通り登場するページ数です。オマケページとして没原稿を入れました。自分が気に入ってる没原稿集です。

漫画は中綴じで作りました。裏移りを心配してたのですが、中綴じの場合はもう少し紙が薄くても良いかなと思いました。本ページに110kgの紙を使ったのですが、真ん中のページでパックリ開いてしまいます。入稿するときにアメコミがパッと思い浮かべられればもう少し紙を薄くする勇気があったのに…(アメコミのあの紙の薄さ…斤量はどんなもんなんでしょう)

また、準備号にミスページが1つあります。塗り足し線までの原稿を入稿データに配置しなければいけないところ、全体ページの原稿を入稿データに配置してしまいました。「こういうミスをするんだ…」という学びになりました。一応問題なく読めはします。

さて、名古屋コミティアについてなんですが、スペース場所が怖いです。

端っこって中々人が来ないイメージなので、スペース番号をいただいて「あちゃ~」と感じました。出入口はMAPの下側。一番遠い場所にあたります。アダルトエリアと同様です。今まで名古屋コミティアでは「イラスト」ジャンルで出ていたんですが、今回挑戦で「青年漫画」ジャンルで出てみようと思いました。「青年漫画」って今まで本部や出版編集部側に近いイメージあったんですがね~…、この配置だったら「イラスト」ジャンルの方が良かったまでありますが…こればかりは運なので仕方がないです。

2018年にはじめて「Sugar Alley Vol.2」を持って行ったとき、お客さんから「名古屋でこんな作品を作っている人がいるなんて…!」と言われた言葉が忘れられないのです。名古屋コミティアと自分の作品の層が合っていないのは前々からとても感じているのですが、それでも地元で「こういう作品を作る作家がいるんだよ!」と主張していきたいです。